介護の本質
高齢者の心身の状況の変化は 刻々やってきます。 6月の東京のように、30度近い夏日が続いたり、上着が必要な梅雨寒になったりすると、高齢者の方はたちまち体調を崩されて、心身の状況が悪化することがあります。
高齢者の在宅生活を支える訪問介護としては目指すのは「寝たきりにしない!」
入院したり、自宅でも横になっている時間が長いと、高齢者の場合、心身機能が落ちていきます。これは 「子供が熱があってもじっとして寝ていない」というのと決定的な違いです。 横になり寝ている期間が長くなればなる程、それまでの生活を回復するのが困難になります。
私たちエクレシア・ケア・センターでは 「寝たきり0」を目指して、とにかく「怪我しない」「ムリしない」「ルーズにしない」の『3ない』をモットーにしています。3番目の「ルーズにしない」は日々の生活の所作を丁寧に楽しんでやる事です。「丁寧に所作する」とそこに美と余裕が生まれます。
例えばお茶を飲む時も、急須にお湯を入れて、さっとお茶碗に入れるのでなく、急須にお湯を直接入れずに、一度お茶碗に入れて温める。それから急須にお湯を入れて、さらにお茶碗に注ぐ前に一呼吸おいて蒸らす。そんな所作を丁寧にすると、僅かな時間でも相手と会話が生まれ、余裕が生まれます。
そして生活支援であれ、身体介護であれ、介護の仕事の質は格段に高まります。高齢者介護の本質は何かを「する」支援でなく、「その方のあるがまま」を尊重することだと思います。