混合介護の行方
東京都知事が介護業界に「混合介護」のシステム導入することを豊島区と合意したというニュースが出ました。
医療分野では 保険の範囲でする医療と患者の自己負担で行う一部自費の医療と合わせて受けることが出来るが、そのような一部介護保険の枠を超える使い方を実験的に導入しようというようだ。
介護保険の範囲のサービスでは、被保険者本人の食事介助や身辺掃除などが 生活支援として出来るが、同居の高齢者の家族分はできないなど制約が多く利用者にとっては使い勝手が悪い面はあります。 それらの枠を柔軟にし、保険外サービスを同時に提供して、しかるべく報酬が得られる制度は 介護従事者にとっても職域を広げることになる可能性があります。
そうでなくても低賃金で入ってくる人がほとんどいない介護業界のどこかに風穴を開けなければ! これから福祉業界は成り立たなくなる、と感じています。 ただ保険外サービスを広げるに当たって、要注意が必要です。 介護保険制度が始まって、せっかく「介護職」が少しづつ確立してきたところで、また 単なる家政婦が、体の良いお手伝いさん的に使われることになってはならないと思うのです。
混合介護として、どの範囲で保険外の枠を広げるのか?また 料金体系はどのように設定できるのか?議論が必要です。介護保険制度が始まって17年。今曲がり角に来ていると思います。介護サービスの質を高め、介護従事者意欲を高め、高齢者の自立と尊厳を守る介護提供するために、豊島区のような特区制度の活用の行方を注視していきます。