他人以上家族未満
先日、介護の専門職の人と話していたら、介護ヘルパーは「他人以上家族未満」の関係で接するものだと言っていました。これはけだし名言だと思います。
よく「家族のようにケアします」という老人ホームの宣伝文句を聞きます。しかしこれでは不安です。
人の生活の場は 本来家庭です。そこで、年をとっても一人で寝起き・食事・入浴が滞りなくでき、生活環境を維持するための掃除・洗濯が自分で出来るかあるいは家族の誰かやる人がいれば お年寄りが住み慣れた地域の自宅で生活を継続することが出来ます。 しかし家族が亡くなった、近くに住んで支援出来る家族がいないとなると、火の始末など防災や食事の世話などの健康管理の必要から単身生活が継続できなくなり、高齢者施設に入ることになるのです。概ねお年寄り自身は、多少の諦めと共に家族ではない人たちと共に暮らすことにそれなりに慣れていきます。心の隅に息子や娘は仕事や子育てで頑張っているから、と自らを納得させながら。
ですから介護にあたる施設職員やヘルパーは、「家族にはなれない」という線を引きながらも、専門職としての自覚をもって「決して他人ではない」ことを肝に銘じて介護にあたることが肝心なのではないかと思います。
「わたしの事を気にかけてくれる人がいる。」という安心感と「でも家族ではないから、あまり我儘は言わない」そんな節度ある高齢者になりたいと思います。😀