病院と在宅をつなぐのは 薬かヘルパーか
今年は 医療と介護の報酬改定が重なる6年に一度の年でした。介護報酬は毎年のように微調整が続けられています。決してヘルパーの人材不足解消にもならないのに、処遇加算1とか2とか、目先を変えて対策を出してきています。 しかし多くは大手のチェーン事業所向けで、単独の弱小介護事業所にとって、どれも手間がかかるばかりで実りが少ない小手先改善ばかりです。
介護職の仕事の質をどう判断するか、時代と共に、人の手をかける業務の評価基準を再考しなければならない時期に来ていると思います。
介護の仕事は 一見簡単そうに見えて「大量・一斉処遇」に見合わない業務なのです。一人一人異なる持病を抱え、刻々と体調や拘縮も変化する高齢者のオムツ交換など、果たして機械化できるのでしょうか? 一斉処遇などしてはならないところなのです。 看護・介護の分野は最後まで「人の手」が最大限のパワーを発揮する場なのです。 それを どのように報酬体系に組み込むか、新し解を探さなければならないのだと思います。例えば薬剤師がする調剤は 機械化できるでしょう。多くの調剤薬局では 医師の指示書を読んで、日数分袋に入れて出しているだけですから。しかし、嚥下などに困難があったり、パーキンソン病で手が震える高齢者や認知症のお年寄りは 処方された「薬を飲む」ことが困難なのです。ここに、ヘルパーが通って、確実に「飲ませる」ことが必要になるのです。高額な薬代のいかに多くが ヘルパーの介助なしに無駄になっているのか、5種類以上の薬の処方は高齢者に返って副作用をもたらすとか、飲み残し等の問題があると言われています。高齢者の病院での医療と在宅の日常生活をつなぐ「処方薬」の見直しが必須で、適切なヘルパー訪問が入れば、入院でなく在宅で暮らせる人は多いと思うのです。